一息の永遠に生きる

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落合陽一の教育論から最先端の教育まで

  News Picksの毎月出している雑誌(?)の2019年冬号が「未来の子育て」というタイトルでした。

  それが色々と面白かったので共有します。

 

◆落合陽一の教育論

  • 好きなことをやらせるべし
  • ジジババ世代を啓蒙せよ

表紙を飾っている落合陽一は、主に2つのことを言っています。

1つは「子供には好きなことをやらせるべし」

実はこれ、本書に出てくるほとんどの人が言っていることです。

ここに出てきている人は落合さんを筆頭にCEOやら大学教員やら特殊ですから、これが一般的に当てはまるかどうかは別ですが・・・。

 

2つ目は、「ジジババ世代を啓蒙せよ」。

痛快ですね。要は「今が子供が育てにくい社会で、子育てするのが昔よりも大変になっている」ということをジジババ世代が理解していない、という内容です。

落合さんが例に出しているのは「新幹線で子供が泣いている時にキレてくる人」です。こうしたことにキレる前に「この環境で子供を育てている人は偉い」という社会通念をつくらないといけません、と言っています。

 

ちなみに、落合さんはなぜ子育てがしづらい時代なのかは語っていません。考えてみると、例えば以下のようなことでしょうか。

・格差の拡大

・共働きの増加

核家族

 

◆本書で繰り返し語られているメッセージ

  • 子供には好きなことをやらせるべき
  • 子供には無償の愛を与えるべき
  • 意思決定を自分でさせるべき

 本雑誌では計46人もの識者がそれぞれコメントを述べていますが、不思議なくらい同じメッセージがくりかえされています。それが上の3つです。

 例えば、落合さんをはじめ『ドラゴン桜』の作者である佐渡島庸平さん、『ユダヤ式「天才」教育のレシピ』の著者であるアンドリュー・J・サターさんも子供が好きなことを追求できるようにすることの大切さを述べています。

 その理由は様々ですが、「これから求められるものは正解のない道を走る力だから」「好きが始点ではない学びは身につかないから」「集中力が身につくから」などが挙げられています。

 探求学舎代表の宝槻さんは、なんと高校も塾も行かずに京都大学に進学した異例のキャリア。その原点が「漫画、映画、小説、ゲームを教材にしたかと思うと、僧侶や道であった人を家庭教師として家にどんどん連れてくる父親」だったそうです。羨ましい教育・・・。

 

また、「子供には無償の愛を与えるべき」という意見も頻出しました。

花まる学習会代表の高濱さんは、母親がいつも笑顔でいられたて、精神的に安定していると、子供の自己肯定感が高まると言います。反対に、母親が不安定だと子供に対しても心配になってあれこれ手や口を出してしまうと。

 

3つ目は「意思決定を自分でさせるべき」です。

例えばムーギー・キムによると、さまざまな分野で活躍している200人に「幼少期に親から受けた教育で、最も感謝していることは?」と尋ねたところ、一番多かったのが「自分で決めさせてくれた」というものだったそうです。

 

 

NewsPicks Magazine vol.3 winter 2019[雑誌]

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